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労災保険における死亡の推定


船舶若しくは航空機に事故が起こった際に、現にそれらに乗っていた労働者または船舶若しくは航空機の航行中行方不明になった労働者の生死が3ヶ月間わからない場合または、これら労働者の生死が3ヶ月以内に明らかとなり、かつ、死亡の時期がわからない場合には、遺族(補償)給付、障害(補償)年金差額一時金、葬祭料(葬祭給付)の支給に関する規定の適用については船舶または航空機の事故が起こった日または労働者が行方不明となった日に、死亡したものと推定します。

この死亡の推定が適用されるのは、船舶と航空機での事故に限られ、また、未支給の保険給付に対しては適用されません。

船や飛行機での事故の場合、生死を確認することが困難になる可能性もあり、「死亡の推定」を設けないとずっと労災保険給付を受けられなくなる可能性があるため、このように定められているわけです。

そして、後日、労働者の生存が確認された場合、受給済みの保険給付を返還しなければいけません。

家族としては船や飛行機の事故で労働者が亡くなったとは信じたくなく、生存を信じ続けたい気持ちはわかります。

死亡の推定を利用して保険給付を受けることは労働者が亡くなったことを認める事になるので利用したくないでしょうが、それでもある程度気持ちの整理ができたらこの制度を利用して保険給付を受けることを検討してください。

そうでなければ、いつまで経っても保険給付を受けられないことになります。


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