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腰痛と労災認定


仕事が原因で腰痛になることもあるでしょう。

では、その時に労災であると認められて保険給付を受けられるでしょうか?

答えはYESですが、普段の生活でも腰痛になることは多く、加齢によってもなりやすくなるため、簡単には認められません。

ただ、可能性はありますので、仕事が原因である時には労災申請しましょう。

なお、腰痛が労災と認められるには、次の認定要件を満たさなければなりません。

厚生労働省で定められた業務上腰痛には、「災害性の原因による腰痛」と「災害性の原因によらない腰痛」の2つの種類があります。

災害性の原因による腰痛

仕事中の突発的な出来事によって腰に負荷がかかったことが明らかであり、それによって腰痛になり、または、すでに持っている腰痛の程度を悪化させたことを医学的に認められることが必要です。

例えば、「重い荷物を持ち上げた時に腰に負荷がかかって腰痛になった場合」や「荷物を運んでいる途中に転んで腰痛になった場合」がこれに該当します。

注意が必要なのはぎっくり腰(急性腰痛症)で、この腰痛の種類に入るようなイメージですが、日常的な動作で発症することを理由に、基本的にぎっくり腰は労災とは認められません。

ただし、発症時の動作や姿勢を考慮して、腰に強い負荷がかかったことが明らかである場合はぎっくり腰も労災認定されます。

災害性の原因によらない腰痛

突発的な腰痛ではなく、重い荷物を運ぶ仕事や無理な姿勢での作業を長期間行ったことによって発症する腰痛のことです。

腰痛になり得る作業の内容とその期間、そして腰痛の発症によって労災認定されます。

具体的には、次の2種類に分類されており、作業期間もそれぞれ定められています。

筋肉等の疲労を原因とした腰痛
作業期間:約3ヶ月以上

骨の変形を原因とした腰痛
作業期間:約10年以上

仕事で持病の腰痛を悪化させた場合

椎間板ヘルニアなどの腰痛を持っている人が、仕事によってその程度を悪化させた場合も労災認定を受けられる可能性があります。

ただし、保険給付が行われるのは悪化させる前までの分のみです。

なお、腰痛が労災であるか否かを判断するのは労働基準監督署なので、迷った時は労基署で相談してください。


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