労災保険(労働者災害補償保険)の保険給付とその仕組みをわかりやすく解説いたします。もしもの業務災害・通勤災害にご活用ください。
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労災保険の適用事業所


労災保険は、基本的に、労働者を使用している事業所について強制加入となっています。

その事業所のことを適用事業所と言いますが、以下の適用除外に該当する事業及び暫定任意適用事業所については除かれます。

なお、労災保険における事業所とは企業そのものを指すのではなく、それぞれの場所ごとを指します。

例えば、事務や営業を行う本社、製造する工場、販売する店舗は、それぞれが別の事業所として扱われます。

労災保険の適用除外

以下の事業については、国家公務員(地方公務員)災害補償法等の適用を受けるため、労災保険に加入できません。

(1)国の直営事業
国が自ら行う事業で、国有林野、印刷、造幣の3つの事業があり、これを3現業と言います。

(2)官公署の事業
非現業の官公署の事業のことです。わかりやすく言えば、役所など国または地方公共団体の事務を行う事業です。ただし、地方公務員で現業部門の非常職員については労災保険が適用されます。

暫定任意適用事業所

以下の事業所については、災害が発生することが少なく、事業規模も小規模なため、労災保険への加入は事業主または労働者の意思に任されています。

なお、労働者の過半数が希望するときは、任意加入しなければいけません。

従業員が4人の場合、「過半数とは半分よりも1人多い人数となるので3人以上」を意味し、「2分の1以上とは半分以上となるので2人以上」を意味します。

(1)農業
常時5人未満の労働者を使用する個人経営の事業は、労災保険への加入が任意となっています。ただし、一定の危険または有害な作業を主として行う事業や事業主が特別加入している事業については、強制的に労災保険へ加入しなければいけません。

(2)林業
常時労働者を使用せず、かつ、年間使用延べ労働者数が300人未満である個人経営の事業。

(3)水産業
常時5人未満の労働者を使用する個人経営の事業であって、総トン数5トン未満の漁船によるものまたは災害発生のおそれが少ない河川・湖沼または特定の水面において主として操業するもの。

なお、この「特定の水面」とは、陸奥湾、富山湾、若狭湾、東京湾、伊勢湾、大阪湾、有明海及び八代海、大村湾、鹿児島湾のことを指します。


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