休業補償給付
休業補償給付の支給を受けるためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 業務上の負傷または疾病により療養していること
- その療養のため労働することができないこと
- 労働することができないために賃金を受けないこと(賃金が出る場合は減額されます)
なお、通勤災害の場合は、休業給付と言います。
休業補償給付の支給額
休業補償給付は、1日につき給付基礎日額の100分の60に相当する額が支給されます。
ただし、一部労働し賃金を受けた場合は、給付基礎日額から支払われる賃金を引いた額(控除して得た額が最高限度額を超えるならば、最高限度額に相当する額)の100分の60に相当する額となります。
(給付基礎日額 – 労働に対して支払われる賃金) × 60 / 100 = 休業補償給付の額
ここで注意が必要なのは、「労働に対して支払われる賃金」ではない場合で、全部休業している労働者に対して事業主が生計を補助する目的で賃金を支払ったときは、その額が平均賃金の100分の60未満なら、休業補償給付は平均賃金の100分の60支給されます。
しかし、事業主から支払われた賃金が100分の60以上なら、休業補償給付は支給されません。
上記計算式で計算する場合は、あくまでも労働して賃金が支払われたときと理解してください。
なお、休業補償給付の受給権者は、特別支給金である休業特別支給金として、休業給付基礎日額の100分の20に相当する額を受けることができます。
つまり、合計で、休業給付基礎日額の100分の80に相当する額が支給されるわけです。
休業補償給付の支給期間
休業補償給付は、休業を開始した日の4日目から療養のため休業する期間支給されます。
では、最初の3日間はどうなるのでしょうか?
療養開始日から3日間は待期期間と言い、休業補償給付を受けることはできません。
ただし、この期間は、労働基準法第76条により、事業者が休業補償を行わなければいけないことになっています。
休業補償給付の支給制限
刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている場合、少年院その他これらに準ずる施設・婦人補導院に収容されている場合については、休業補償給付は支給されません。
また、待期期間にも算入されません。
関連記事
葬祭料は、業務災害により死亡した労働者の葬祭を行う者に対して、その請求に基づき支給されます。 したがって、通常、葬祭を行う遺族に対し...
療養補償給付は、労働者が業務災害によって負傷・疾病し、療養する場合に支給される保険給付です。 なお、通勤災害の場合は、療養給付と言い...
遺族補償一時金は、労働者の死亡の当時、遺族補償年金の受給資格者がいない場合に、給付基礎日額の1,000日分が支給されます。 ただし、...
遺族補償年金の支給を受ける際に、まとまったお金が必要な場合は、遺族補償年金前払一時金として、給付基礎日額の1,000日分を上限に一時金の支...
障害補償給付は、業務上の傷病が治癒した後、障害が残った時に支給される保険給付です。 なお、通勤災害の場合は、障害給付(障害年金・障害...