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第五福竜丸以外の水爆実験被害船員、労災認められず


1954年にアメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験により、癌や白血病などの健康被害に遭ったとして、高知県の元船員6人、遺族4人、宮城県の元船員1人の合計11人が、事実上の労災保険の適用を求めました。

本来ならば、労災保険は労働基準監督署が審査しますが、社会保険庁廃止前の船員の労災ということで、特別に全国健康保険協会による審査です。

その結果、2017年12月25日に、「健康影響が現れる程度ではない」との理由で、11人全員に対して労災不適用の通知がなされました。

労災を認められれば、第五福竜丸の船員以外では初の水爆実験による労災認定ということで注目されましたが、船員や遺族にとっては残念な結果になっています。

納得できない船員と遺族は、厚生労働省に対して不服申し立てを検討しており、今後の動きにも注目です



水爆実験と労災認定された第五福竜丸の船員

アメリカは、1954年に、ビキニ環礁とエニウェトク環礁の2つの環礁で、計6回の水爆実験を行いました。

この実験は、「キャッスル作戦」と呼ばれています。

そして、1954年3月1日、第五福竜丸の船員23人は、アメリカが設定した危険水域外で操業していたにもかかわらず、アメリカが考えていたよりも威力が大きかったため、被ばくしてしまったのです。

この時に使用された水爆「ブラボー」の威力は、広島に落とされた原爆の1000倍とされています。

危険を察知して避難しようとしたものの、延縄(はえなわ)の回収に時間を要し、結果、4、5時間にわたって「死の灰」と呼ばれる放射性降下物を浴び、その後も寄港するまでの2週間、放射能汚染された船上で生活し続けました。

その影響で、無線長の久保山愛吉さんは、半年後に亡くなっています。

そして、他の船員も健康被害に遭い、労災認定されました。

さらに、1955年、アメリカから日本に200万ドル(当時で約7億2000万円)が見舞金として支払われ、その中から船員1人につき200万円が支給されたことにより、政治的にも解決済みです。

水爆実験の威力がアメリカの予想よりも大きかったため、他にも多くの船と船員が巻き込まれて被ばくしているはずですが、2017年12月時点で、労災認定されているのは第五福竜丸の船員だけとなっています。

ちなみに、日本史にも登場する第五福竜丸ですが、放射能が低くなった後、東京水産大学の練習船「はやぶさ丸」となり、その後に処分されそうになりましたが、1976年6月から東京都立第五福竜丸展示館で公開中です。



「東京都立第五福竜丸展示館」の情報

東京都立第五福竜丸展示館の詳細情報は、次のとおりです。

施設名 東京都立第五福竜丸展示館
住所 東京都江東区夢の島2丁目1−1
電話 03-3521-8494
入場料 無料
開館時間 9:30~16:00
休館日 月曜日 ※月曜日が祝日の時は火曜日休館

館内には、実際の第五福竜丸が展示されている他、水爆実験の被害や船員の症状などが分かる様々な資料が展示してあります。

入場料は無料なので、気になる方はぜひご覧ください。


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