労災保険(労働者災害補償保険)の保険給付とその仕組みをわかりやすく解説いたします。もしもの業務災害・通勤災害にご活用ください。
よくわかる労災保険
HOME » 労災ニュース » 医療関係者の過労死が深刻!2018年度版・過労死白書で判明

医療関係者の過労死が深刻!2018年度版・過労死白書で判明


2018年10月30日、厚生労働省が『過労死等防止対策白書』を発表しました。

それによると、次のとおり、医療関係者の過労死が深刻であることが判明しています。

2011年から2015年までの5年間における医療関係者の労災認定

  • 労災認定を受けた医療関係者 285人
  • 上記(285人)の内、過労死と認められた医療関係者 47人
  • 上記(47人)の内、過労死と認められた医師 11人
  • 上記(285人)の内、労災認定を受けた看護師 53人

このように、多くの医療関係者が労災認定を受け、酷い場合には過労死によって命を失っているのです。

医療関係者の過労の原因

医師不足、長時間労働が問題となっていますが、実際に医療現場はかなり過酷なようです。

過労死した医師の多くは、診療に加え、カルテなどの書類作成に時間を要し、残業が多くなることで、脳や心臓に疾患を患い、過労死していることが判明しました。

そして、労災認定を受けた看護師の多くは、患者からの暴力や暴言などで、精神障害を負っていることが判明しています。

女子受験生や浪人生を不利に扱う医学部不正入試が発覚していますが、それでも医師の数を増やす方向には向かっておらず、今後も医療関係者の労働は厳しい状況が続きそうです。

しかし、その状況を放っておけば多くの犠牲者が出るので、改善が望まれます。


関連記事

テレビ朝日でドラマ制作に携わる男性プロデューサーが2015年2月に亡くなった際、三田労働基準監督署が労災認定していたことが、2018年5月...


2019年12月10日に労働政策審議会の部会が開かれ、「労災保険では本業と副業・兼業の労働時間を通算する案」が大筋で了承されました。 ...


パワハラ(パワーハラスメント)とは、地位の高い者が、自分よりも立場の弱い者に対し、精神的・肉体的苦痛を与えることを言います。 ずっと...


2018年8月7日、大手居酒屋チェーン『わらわら九大学研都市駅店』の元店長で、勤務中に亡くなった53歳の男性について、福岡中央労働基準監督...


2018年8月21日、化学メーカー『新日本理化』の徳島市にある工場の元従業員(70歳)が、オルト―トルイジンによる膀胱がんを発症したとして...



コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最新記事

労災認定の基準

行為中は通勤でなくてもその後に元の道に戻った時は通勤とみなされる「日常生活上必...

労災認定の基準

出勤・退社時に行うささいな事は逸脱・中断とはみなされず、通勤として扱われます。...

労災認定の基準

飲食店に立ち寄り、その後の帰宅途中で災害に遭った場合は、その時の立場によって通...

労災認定の基準

単身赴任している場合、相応の理由があれば、赴任先住居と帰省先住所の移動中の傷病...

労災認定の基準

仕事の掛持ちで2つの会社の移動中に災害に遭った場合も、条件を満たせば通勤災害と...

労災保険カテゴリー

社労士試験

サイト情報