労災保険における年金の過誤払
年金たる保険給付の受給権者が亡くなったため、その受給権が消滅したにもかかわらず、死亡日の属する月の翌月以後の分としてその年金たる保険給付が誤って支払われた場合に、その過誤払い分を返還すべき者に受給権者の死亡に関する保険給付があるときは、その保険給付の支払金額を過誤払による返還金債権に充当することができます。
傷病・障害・遺族補償年金の過誤払
年金たる保険給付の受給権者の死亡に関して新たに保険給付の受給権者となるものが生じる場合において、その者が過誤払による債務の弁済をしなければいけないとき、次の1~3のように充当されます。
(1)傷病(補償)年金が過誤払いされた場合
・遺族(補償)年金
・遺族(補償)一時金
・葬祭料(葬祭給付)
を返還金債権の金額に充当する。
(2)障害(補償)年金が過誤払いされた場合
・遺族(補償)年金
・遺族(補償)一時金
・葬祭料(葬祭給付)
・障害(補償)年金差額一時金
を返還金債権の金額に充当する。
(3)遺族(補償)年金が過誤払いされた場合
・遺族(補償)年金
・遺族(補償)一時金
・葬祭料(葬祭給付)
を返還金債権の金額に充当する。
行政としても間違って支給した保険給付を一度返還してもらってまた支給するのでは時間や手間が掛かるので、他に支給する保険給付があるのならそちらが支給されたことにしようというのがこの過誤払の本質です。
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